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2018.09.12

サンマとすだち

さすがの記録的な猛暑もこのところちょっと涼しい感じになりました。秋の気配ですね。
秋といえば、スポーツ、味覚・・・と、いろいろあります。
私にとっては、去年まで不漁が続き、高級食材となっていたサンマが、今年は豊漁だというニュースが明るいニュースでした。わが家でも早速塩焼きしました。

 
サンマといえば、佐藤春夫の「秋刀魚の歌」という詩が思い浮かびます。
 
 あはれ
 秋風よ
・・・・・・
さんま、さんま
 そが上に青き蜜柑の酸をしたたらせて
 さんまを食ふはその男がふる里のならひなり。
 そのならひをあやしみてなつかしみて女は
 いくたびか青き蜜柑をもぎて夕餉にむかひけむ。
 あはれ、人に捨てられんとする人妻と
 妻にそむかれたる男と食卓にむかへば、
・・・・・・
 さんま、さんま、
 さんま苦いか塩っぱいか。
 そが上に熱き涙をしたたらせて
 さんまを食ふはいづこの里のならひぞや。
 あはれ
 げにそは問はまほしくをかし。
 
と、悲痛な声を絞り出すような感じです。有名な谷崎潤一郎夫人との恋に煩悶している様子が窺えます。
佐藤春夫は、サンマの上に「青き蜜柑の酸をしたたらせて」と謳っています。春夫は和歌山県新宮市の生まれですが、「青き蜜柑」とは「すだち」のことかも知れないな、と思います。 
 
「すだち」は徳島原産の柑橘類です。
漢字で書けば「酢橘」。食酢として使っていたことから「酢の橘」すなわち酢橘(すたちばな)と名付けていたそうです。学名は:Citrus sudachi。 
 
 
 
「すだち」の香りと塩焼きしたサンマは絶妙のコンビです。サンマ以外にも、鍋料理、魚介類の刺身、キノコ類などとも良く合います。(T)