臨床検査学科
3年制/60名/男女/昼間
CONTENTS
臨床検査技師は、病気の診断・治療・予防・発見に必要な検査を行う、
臨床現場には欠かせない存在
私たちが、具合が悪くなって病院に行くと、医師は正しい診断をするために患者さんの身体の異変を知る必要があります。正常な状態とどのように異なるのかを知るために、検査し説明を行うのが臨床検査技師の仕事です。臨床検査技師はさまざまな検査を行うことで、病気の早期発見・予防に貢献するほか、治療への第一歩を踏み出すきっかけをつくり、医師と患者さんをつなぐ重要な役割を担っています。
Workplace
活躍場所
■病院
病院は運営主体(国公立/大学/赤十字/済生会/医療法人など)や、病床数などによって勤務する臨床検査技師数は5人前後~100人以上と大きく異なります。日常業務としては、主に外来患者さんの「採血業務」、尿や血液、手術中に摘出した病変組織など、患者さんの検体を用いた「検体検査」、心電図、超音波、脳波、肺機能といった患者さんと接して行う「生理学的検査」が中心になります。病院は24時間体制なので当直業務や夜勤があるものの、勤務時間は8:30~17:30前後が比較的多いようです。医師をはじめとするほかの医療スタッフと連携し、患者さんに分かりやすく検査内容を説明するためのコミュニケーション能力なども求められます。
■検査センター
規模が小さい病院や診療所では、非効率的にならないよう、普段使用しないような設備や試薬を必要とする検査については、検体検査を専門に扱う会社に外注します。その際、検査を代行する会社を「検査センター」といい、そこで働く臨床検査技師は検体を預かり、検査して、結果データを各病院や診療所に返します。ここでは生理学的検査は行わず、検体検査のみを行っています。
■健診センター
特定健診(40歳以上)、後期高齢者健診(75歳以上)、企業健診、人間ドック、各種がん検診など、病気の早期発見・治療のために行われる「健康診断」を専門に実施する施設で、主に生理学的検査を行います。企業や学校などを健診バスでまわり検査業務を行っているところもあります。
■治験
「治験」とは、国(厚生労働省)から薬の承認を受けるために行う臨床試験のことです。新しく薬を開発する際には、効き目や安全性(副作用)などを確認するため、動物実験後に、健康な人や患者さんに協力してもらい、効果と安全性を確認する必要があります。治験コーディネーター(CRC)などの職種があり、検査データの値から患者さんの症状の変化に迅速に気づき、対応できる臨床検査技師が活躍しています。
■医療機器メーカー
病院やクリニックに訪問し、臨床検査に関する医療機器の商品説明や操作方法などを行います。臨床検査に精通している臨床検査技師だからこそ、検査知識を生かして働くことができます。
Collaboration with Medical Team
臨床検査技師とチーム医療
各医療スタッフが専門知識と技術を用いる
チーム医療が臨床現場のキーとなっています。
医療の複雑化が進むことで必要なチーム医療をとおし、患者さんに最善の医療を提供することができます。そのような医療モデルの中で臨床検査技師は、検査室内での業務だけでなく検体採取や病棟での業務、内視鏡検査の介助、在宅医療など業務範囲が拡大しています。
臨床検査技師は「臨床検査の専門家」であるということから、患者さんに対する検査の事前説明や検査結果の報告を実施するほか、
以前と比較し患者さんの「検体採取」を臨床検査技師が行うことが増えています。
このような機会をとおし、患者さんと接する場面が増えており、
「相手にわかりやすく伝える」などのコミュニケーション能力も求められています。
A rewarding career
臨床検査技師の魅力!
①
現在、求められている仕事!
従来は「病気になったら治療する」という考えが一般的でしたが、近年では「病気を予防する」「早い段階で病気を発見し、治療する」「再発防止のため定期的に検査する」といった予防医学・健康増進などへの意識も根付いてきました。そうした背景から、臨床検査技師には、病気の早期発見に有効な健康診断や人間ドックなど、多くの場面で更なる活躍が期待されています。
上記のように、予防医学の観点から活躍場所が増えたことに加え、臨床検査技師に認められる業務範囲の拡大などの理由から、臨床検査技師の需要が高まっています。
②
安定の医療技術職!
臨床検査技師は「臨床検査技師等に関する法律」によって定められた国家資格です。そのため取得は容易ではありませんが、社会的信用度・専門性が高く、就職に繋がりやすい資格といえます。
業務内容も年齢や体力に左右されることなく、長く安定して働けるため、自分のライフプランに合わせてキャリアを積むことができる仕事です。
③
さらなる専門性!
臨床検査技師免許取得後にも、細胞検査士、超音波検査士、緊急臨床検査士、認定輸血検査技師など、さまざまな認定資格があります。これらの認定資格の取得・保持は単に自身の技術・知識の証明となるだけでなく、より正確な検査データの提出、さらには患者さんの健康に大きく貢献し、就職先でのキャリアアップにも繋がります。
このように臨床検査技師は、就職後も自分自身を高めていくことが可能であり、一生涯を通じて成長していくことのできる職業と言えます。
また、働きながら大学院の博士課程まで進むことも可能であり、本人の努力により専門的な知識や学位を修得することもできます。
検体検査
患者さんの身体に流れている血液や髄液、身体をつくっている組織、また排出される尿や便などを用いて行う検査です。検査をするために患者さんから採取した全てのものを「検体」といいます。この検体の成分を分析し、身体の状態を調べます。また、採血をはじめとした検体採取も臨床検査技師の重要な仕事の1つです。
生理学的検査
「生理学的検査」は直接患者さんの身体に触れ、医療機器を使用して行う検査です。患者さんの緊張を和らげるために、目線を合わせ優しく話しかけるなど、それぞれの患者さんに合わせた対応が求められます。主なものとして超音波(エコー)検査、心電図検査、呼吸機能検査などがあります。